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![]() (撮影/渡辺信次) |
![]() もともとカナダ、北アメリカ沿岸に生息しているという「クチバシカジカ(学名 Rhamphocottus Richardsoni)」。日本では、これまで女川のほか数カ所での発見例しか報告されていません。また、そのルーツは明らかでなく、「バラスト用に給水された海水に混じっていた?」「かつての捕鯨基地(日本水産)女川港に水揚げされたクジラに付着したフジツボの中に卵塊が混じっていたのでは?」などという説があります。 |
![]() (撮影/渡辺信次) |
![]() 親指の第一関節大、2センチほどの大きさにダンゴ状の形、愛嬌のある表情などインパクトがあり、ダイバーにとってアイドル的存在の魚です。 その生態は謎となっていますが、岩場の藻の上や、女川の海の中では、岩場に付着した天然ホヤの上などにチョコンと張り付いている姿を見つけることができます。 |
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| 株式会社モビーディック 渡辺 信次 |
東北の太平洋沿岸、南三陸金華山国定公園内に位置する小さな港町、女川。眼下に広がる海は、太古の昔から私たちの暮らしに豊かな恵みを与えてくれています。そして豊かな女川の海は、我々ダイバーにとっても驚きと発見を与えてくれる貴重な資源です。「クチバシカジカ」が、実はカナダなどの普通種であることを知ったときも、女川とカナダの不思議なつながりを感じさせられました。 終戦直前の1945年(昭和20年)8月10日、女川湾でカナダ海軍の英雄R・H・グレー大尉が戦没しました。 それから44年という歳月が過ぎようという1989年(平成元年)、私たち地元のダイバーに、カナダ大使館からグレー大尉とともに没した戦闘機の捜索依頼があり、協力させていただいたことがありました。 残念ながら、機体は見つかりませんでしたが、当時の不発弾を発見。生々しい戦闘のようすを垣間みた思いがしました。そうしたことがキッカケとなり、女川港を見おろす「崎山公園」に、同年、カナダと日本の永遠の友好、平和の証、『グレー大尉記念碑』が両国政府などが協力しあい建立されました。 そして、それから約10年後の1998年9月、女川港で仲間のダイバーが、一見魚らしからぬ?顔をした生物を発見。後日、日本水中映像株式会社の水中写真家・中村宏治氏により、カナダ、北アメリカの普通種、日本では稀種の「クチバシカジカ」ということが判明しました。
「カナダ沿岸に生息しているカジカが、なぜ女川の海に?」「グレー大尉が連れてきた?」何とも不思議で、壮大な海のロマンを感じずにはいられません。その日から私たちは、この「クチバシカジカ」の知られざる生態の観察を続けています。また、「ダンゴウオ」のユーモラスで、とっても可愛い姿も見ることができます。 東北の小さな港町、女川。その海には今もなお、私たちがこれまで見たこともない貴重な生物たちが潜んでいます。 |